スポーツ障害とは
スポーツをしている人はスポーツ障害という言葉をよく耳にすると思いますが、説明すると難しいかもしれません。簡単に言うと、スポーツの動作で同じ動きの繰り返しにより、負担が蓄積し筋肉、腱、靭帯骨などを損傷することです。
打撲や捻挫などはその日その瞬間でケガをするのとは違い、練習量や休日、フォームや姿勢、筋力や柔軟性などの影響が長く続くことで限界を超えた部位に痛みが出てきます。そのため、痛みが出た部位だけではなくどのような練習どのような動きをしてきたのかを考えることが大切です。
スポーツにおける身体の組織の働き
スポーツをするとこれらの組織が連動して使われています。同じところに繰り返し負荷がかかったり、筋肉の硬さ、筋力のバランス、関節の可動域、の違いでケガにつながることがあります。
筋肉
筋肉は身体を動かすエンジンの働きをしていて、エンジンが大きいと強い力を発揮することができます。強くしすぎて柔軟性がないと肉離れを起こしたりするので、筋肉の強さや柔軟性はスポーツパフォーマンスに影響してきます。
腱
腱は筋肉の骨を結んでいる部分のことです。筋肉の収縮で腱が骨を引っ張り動かすことができます。走っていてアキレス腱が切れるというのはふくらはぎから、かかとについている腱が切れることになります。
骨
身体を支える土台の働きをしています。骨が成長すると身長が伸びます。身長が高い方が有利のスポーツもかなりあります。骨折すると数か月プレーができなくなるので栄養をしっかり取り骨を強く成長させることが大切です。
関節
骨と骨の間のことをいいます。筋肉を動かすことにより骨を動かし関節を曲げることができます。膝、肘、手首、足首などよく曲げるところはイメージしやすいですが、骨盤や背骨にも関節があります。
靭帯
靭帯は骨と骨の間の関節が行ってはいけない方向に行くのを止める働きをしています。捻挫をすると関節が行ってはいけない方向に行くので靭帯が伸びたりひどいと切れることがあります。
外傷と使いすぎの違い
スポーツをしているとケガをすることがあります。スポーツ中のケガは大きく2つに分かれます。
外傷
相手の接触や転倒、バランスを崩して着地などで明らかな原因で1回の外力で起こるケガです。
捻挫、打撲、靭帯損傷、骨折、脱臼などです。外傷はケガをするとすぐに痛みが出てり、痛めた所が腫たりします。外傷でケガをした場合は整形外科での検査が必要になります。
使いすぎ(オーバーユース)
同じ動作を繰り返して痛みが出てり、休みが少なく疲労が蓄積したりすることで、最初は違和感から始まり徐々に痛みが強くなりプレーに影響が出るケガです。シンスプリント、オスグット、ランナー膝、テニス肘、野球肘などがあたります。違和感が出るとそのうち治るだろうと放置すると、慢性化したり、繰り返したりすることがあります。
使いすぎと外傷が混ざることもあります。例えば骨折などは1回の外力で起こることもあれば繰り返しの骨の負荷で疲労骨折することがあります。疲労して骨が弱っているところに強くぶつけて骨折する事もあります。
肉離れなどは運動不足で子供の運動会でいきなり走ってなることもあれば、毎日の練習で疲労が蓄積して筋肉が硬くなり起こる場合があります。
スポーツでケガをしたら
スポーツでケガをした時、整形外科か接骨院かどちらに行けばいいかわからないということがよくあります。
整形外科
- レントゲンやMRIなどでケガの状態を診断する
- 手術が必要かを診断する
- 必要であれば手術する
- 必要に応じて注射、薬の処方をする
この場合は必ず整形外科を受診しなければいけません
- 腫れている
- 変形している
- しびれがある
- 力が入らない
- 腕が上がらない
- 痛みが強い
接骨院
- 損傷部位をエコーで確認する(診断はできません)
- 損傷部位を確認して手技や電気施術で早期回復
- 筋肉の柔軟性の確認
- 身体のバランス確認
- 必要に応じてバランスを整え再発予防をする
- 再発予防のためのトレーニングなどのアドバイス
などで早期回復や競技復帰に向けてサポートしていきます。特に整形外科で異常がない、痛み止めとシップだけの場合でも痛みが強いことも多くあります。その場合接骨院が一番得意とするところです。
ケガをしたらまずは手術の必要がないか整形外科で診断をしてもらい、接骨院と併用していくのが早期回復、再発予防に一番おすすめです。最初に接骨院に来院された場合もエコーで確認して整形外科を受診した方がいい場合はご紹介いたします。
痛いのに放置すると
レギュラー争い、試合が近い、練習を休める空気じゃないなどの理由から痛いのを我慢してプレーしてしまうこともあると思います。
早期に適切な対処をしないと
- かばっていたら他の所も痛くなってきた
- 慢性化しセルフケアをしても痛みが治まらない
- 休むと治まるが練習をするとすぐ痛くなる
- 骨の形が変わってしまう
- 我慢をして休まないといけなくなったが長引いてしまい復帰が遅れる
特に成長期は無理をすると骨の形が変わってしまうので注意が必要です。
症状別のスポーツのケガ
捻挫
捻挫は関節を捻ってケガをすることですがスポーツをしていればよく起こるケガです。捻挫は捻った時に靭帯が伸びたり、ひどいと切れることがあります。伸びた靭帯は伸びたままなので1回捻挫をすると捻挫しやすくなります。リハビリをしっかり行わないと癖になることがあります。
捻挫の症状
- 損傷部の腫れ
- 押したときの痛み圧痛がある
- 体重をかけると痛い
整形外科をすぐに受診した方がいい場合
- 足をつけないくらい痛い
- 変形している
- 腫れがひどい
- 骨に響く感じがする
捻って捻挫かと思っていたら骨折していたということもあるのでまずは整形外科を受診することが大切です。
捻挫で接骨院でできる事
- 炎症を抑えるため、微弱電流やハイボルトで痛みを緩和していきます。
- 必要があれなテーピングや包帯で固定していきます。
- 炎症が治まれば関節の可動域を回復していきます。
- 再発防止のためテーピングの巻き方、トレーニングでサポートしていきます。
炎症が強い場合は松葉づえで体重をかけないようにすることも必要です。一度捻挫をすると関節が緩くなるため、テーピングをしばらくはした方がいいでしょう。トレーニングをして筋力がついてこればテーピングを外して練習を行うようにしましょう。復帰後はいきなり全力で行うのではなく少しずつできることから行っていきましょう。
打撲
打撲もスポーツしていればよく起こるケガです。相手とぶつかったり、転倒したり、などで起こることが多いでしょう。打撲と思っていたら骨折ということもあります。
打撲の症状
- 腫れ
- 内出血
- 圧痛
- 力を入れると痛い
整形外科をすぐに受診した方がいい場合
- 変形している
- 痛みが強い
- 腫れがひどい
- 骨に響く感じがする
接骨院でできる事
- 損傷部をエコーで確認していきます。
- 腫れが強い場合はアイシングをしていきます。
- 超音波や微弱電流で炎症を抑えていきます。
打撲は放置していても治っていきますが早く痛みを抑えてプレーしたい場合は電気療法をした方がいいでしょう。
肉離れ
肉離れはふくらはぎや太ももの裏に起こることが多いケガです。筋肉が部分的に切れた状態です。ひどいと筋肉がへこんでしまったりすることがあります。損傷時にプチっと音を感じることが多くしばらくは練習を休まないといけません。
肉離れ症状
- ひどいと筋肉に陥凹(へこむ)が起こる場合があります。
- 圧痛
- 力を入れると痛い
- 内出血が2日後くらいに出てくることがあります。
整形外科をすぐに受診した方がいい場合
- 痛みが強い
- 腫れがひどい
- 陥凹がある
接骨院でできる事
- 損傷部をエコーで確認
- 損傷部に微弱電流や超音波で炎症を抑えていきます。
- 手技で周りの筋肉を緩めていきます。
- 必要であればテーピングをしていきます。
肉離れも適切な処置をしていかないとまた同じところを痛めたということがあります。筋肉の柔軟性や疲労の蓄積で起こることもあれば水分不足で起こることがあります。水分が不足すると足がつったり肉離れを起こしやすくなります。水分の取り方が適切であったのかも見直す必要があります。
練習復帰後はウォーミングアップなどもしっかり行い、いきなり全力で行うのではなく少しずつレベルを上げていかないといけません。
シンスプリント・ジャンパー膝・ランナー膝・鵞足炎
シンスプリントはマラソンなど長距離を走る選手に多く、それ以外でも練習の走り込みなどで起こることがあります。すねの打つ側に繰り返し引っ張られる力がかかることにより炎症が起こって痛みが出ます。
ジャンパー膝はジャンプやダッシュの繰り返しで膝のお皿の下が炎症を起こし痛みがでます。
ランナー膝はマラソン選手に多く膝の外側が炎症を起こし痛みが出ます。
鵞足炎は膝の内側が炎症を起こし痛みが出ます。
症状
- すねの内側が痛い
- ジンジンする
- 膝のお皿の下がいた
- 膝の外側が痛い
- 膝の内側が痛い
整形外科をすぐに受診した方がいい場合
- 休んでも痛みが引かない
- 痛みに左右差がある
- 痛くて走れない
- 骨に響く
シンスプリントかと思っていたら疲労骨折ということもありますので痛みが強い場合は整形外科での受診をお勧めします。
接骨院でできる事
- 損傷部をエコーで確認
- 損傷部に微弱電流や超音波で炎症を抑えていきます。
- 手技で周りの筋肉を緩めていきます。
- 必要であればテーピングをしていきます。
片方だけ痛い、いつも同じ方ばかり痛くなる場合は身体のバランスが崩れている可能性があります。身体のバランスを整えて再発防止をしていきます。
合宿などで一時的に走る量が増えた場合は練習が元に戻れば治ることもあります。シンスプリントから疲労骨折に移行する事もありますので、練習量の調節やテーピング、ウォーミングアップやストレッチなども大切になります。
オスグット・シーバー病
成長期は骨が成長していて筋肉や腱が成長に追いつけず引き伸ばされる状態になりやすい時期です。成長期特有の障害になることもあるため整形外科の受診は必ずしましょう。
症状
オスグットはランニングやジャンプの繰り返しで太ももの前の筋肉が膝のお皿の下の骨に強い牽引力が働き炎症や損傷が起こります。
- お皿の下の骨が出ていて押すと痛い
- 膝の前がずきっと痛む
- 正座で痛む
シーバー病はランニングやジャンプの繰り返しでふくらはぎの筋肉がかかとの骨を引っ張り成長骨に炎症が起こり痛みが出ます。
- かかとの後ろが痛い
- 朝の一歩目が特に痛い
- かかとを押すと痛い
- つま先立ちがつらい
整形外科をすぐに受診した方がいい場合
- 骨が出っ張っている
- 痛みが治まらない
- 歩くのも痛い
- 押すだけで痛い
接骨院でできる事
- 損傷部をエコーで確認
- 損傷部に微弱電流で炎症を抑えていきます。
- 手技で太ももの前やふくらはぎの筋肉を緩めていきます。
- 必要であればテーピングをしていきます。
痛みが強い時期は練習を休み練習前後のケアやストレッチなど習慣づけるようにしましょう。
野球肩・水泳肩
野球肩はピッチング動作の繰り返し、水泳肩はクロールやバタフライの繰り返しで肩に負担がかかり炎症や損傷が起こります。
症状
- ボールを投げるときの痛み
- 泳いでいるときに手をかく動作で痛み
- 肩を回すと痛い角度がある
- 引っ掛かり感がある
整形外科をすぐに受診した方がいい場合
- 安静にしていても痛い
- 練習を休んでも治らない
- 腕が回らない
- 日に日に痛みが増している
接骨院でできる事
- 損傷部をエコーで確認
- 損傷部に微弱電流や超音波で炎症を抑えていきます。
- 手技で周りの筋肉を緩めていきます。
- 肩を安定させるトレーニング
- 練習量の相談
痛みが続く場合は適切な対処を早期に行わないと、長期離脱につながるかもしれません。フォームの確認や練習量、ウォーミングアップのやり方など早めの相談が必要です。
野球肘・テニス肘
野球肘はピッチング動作の繰り返しで肘の内側が痛む、テニス肘はラケットのスウィングの繰り返しで肘の外側が痛む。繰り返しの動作で負担がかかり炎症や損傷が起こります。
症状
- ボールを投げるときの肘の内側の痛み
- ラケットのスウィングで肘の外側に痛み
- 物を持つと痛い
- 手首を動かすと痛い
整形外科をすぐに受診した方がいい場合
- 肘の曲げ伸ばしがスムーズにできない
- 練習を休んでも治らない
- 安静にしていても痛い
- 日に日に痛みが増している
接骨院でできる事
- 損傷部をエコーで確認
- 損傷部に微弱電流や超音波で炎症を抑えていきます。
- 手技で周りの筋肉を緩めていきます。
- テーピングで負担を軽減
- 練習量の相談
痛みがある時はボールを投げたり、ラケットを扱わないことが大切です。テニス肘は手首をよく使ったりテニス以外でも肘の外側に痛みが出ることがあります。日常生活の身体の使い方も見直していく必要があります。
まとめ
目の前の試合も大切ですが、その先の競技人生を考えて対処していかないといけません。この試合のために無理をしても大丈夫なのかというのは本人で決めるのは難しいと思います。何を優先するのかの相談も当院では行うことができます。競技復帰のタイミングはスポーツを長く続けるために重要です。スポーツの痛みでお困りでしたらご相談ください。






