最近お子さんの腰痛でのお問い合わせが増えています。お子さんが腰が痛いといったら親はどうすればいいのでしょうか?
1日から2日で治った場合
一時的に腰が痛いと感じるのは誰でもよくあることです。次の日には治っていたということであれば心配しなくてもいいでしょう。
1週間以上続く、再発する
子供で1週間以上腰痛が続く場合は何かしら異常があるかもしれません。スポーツをしているお子さんは腰椎分離症という腰の骨が疲労骨折する場合もあります。腰椎分離症は骨折ですので接骨院で施術を受ける場合は医師の同意が必要になります。接骨院に初めにお越しいただいた場合も腰椎分離症の疑いがあった場合は整形外科をご紹介します。放置すると骨がくっつかなくなることもありますので、まずは整形外科を受診し医師の診断を受ける事が大切です。
最初に整形外科を受診した方がいい場合
- 1週間以上続く
- 繰り返している
- 痛みのレベルが強い
- 姿勢がおかしい
- 歩き方がおかしくなった
- スポーツをしていて腰痛がある
- 自転車で転んだなどの外傷性
整形外科で検査しても異常が見つからない、原因がよくわからない場合はご相談下さい。
腰椎分離症とは
整形外科で腰椎分離症と診断されたら腰の骨が骨折していることになります。骨折といっても、転倒したりなど1回の外力でなる骨折とは違い、腰の骨が長期間にわたって繰り返し負荷を受け続けることによって少しずつ骨折していく状態です。10代の成長期にハードなスポーツをしているお子さんに多い骨折です。
骨折は早めに処置しないと骨が引っ付かなくなるので早めの対処が必要です。そのうち治るだろうと放置して後になって分離症が見つかり治らないということもあります。お子さんが1週間以上腰痛をうったえるときは整形外科をまず受診してください。
腰椎分離症になる原因
遺伝
親が分離症だと分離症になりやすい骨格、身体の使い方などが遺伝してリスクが高まる可能性があります。
身体が未完成
子供は骨や筋肉が未完成な状態で腰に負担がかかり続けることをすると分離症
につながるといわれています。
ハードなスポーツ
ハードなスポーツを継続して行うことで、腰の骨に負担が蓄積して分離症につながりやすくなります。特にジャンプしたり、腰を捻ったり反ったりするバレーボールや体操などのスポーツは分離症が発症しやすいといわれています。
当院の考え方
しかし、すべてのお子さんがなるわけではありません。遺伝的なものは別として同じ年齢で同じスポーツをしているのになる人とならない人がいるのはなぜでしょう。
姿勢や身体のバランスの違い
腰痛をうったえるお子さんの日常の姿勢はどうでしょうか。猫背になっていたり反り腰になっていたりすると同じスポーツをしていても姿勢のいいお子さんよりも腰の骨に負担がかかりやすくなってしまいます。身体のバランスの崩れから筋力もアンバランスに発達してしまいます。姿勢や身体のバランスがいいと同じスポーツをしても腰にかかる負担を分散でき、バランスよく筋力もついていきます。
腰椎分離症と診断されたら
接骨院で骨折の施術をするには医師の同意が必要です。骨折なので、整形外科で診断されたら医師から完治の診断を受けるまでスポーツを中断し安静にしないといけません。骨折は早期に固定せず放置してしまうと違う骨になってしまい偽関節という状態になってしまいます。そうなると完治は望めなくなります。初期の段階だとレントゲンではわからないこともあるため、腰痛があれば定期的に医師の診断を受けるか、MRIの検査も必要になります。
腰椎分離症が完治したら
完治しても同じ姿勢や身体のバランスで同じスポーツをしていたら同じように腰に負担が集中してしまいます。完治の診断を受けてから再発を防ぐために姿勢や身体のバランスを整える施術を行うことができます。
放置してしまった場合
ただの腰痛と思って放置してしまい骨癒合が望める時期を過ぎてしまってから整形外科を受診すると、もう骨は引っ付きません偽関節と診断される場合があります。そうなると、これからは分離症と付き合って生きていかなければいけません。
一つの骨が二つ分かれてしまっている状態ですから腰痛になりやすい状態であることは間違いありません。しかし、分離症があるからすべての人が腰が痛いというわけではありません。昔腰が痛かった時期はあるけど良くなって最近腰痛になってレントゲンを撮ったらこの分離症は最近なったものではないと医師から言われた人もいます。
分離症で痛みが出る人はそこに負担がかかっているから痛くなることが多く、そこに負担がかからないような姿勢や身体のバランス、筋力をつけていけば普通の生活やスポーツを続けている人も多くいます。
検査で異常のない子供の腰痛

姿勢が悪い
スマホやスウィッチなどを使う姿勢の悪さからスマホ首、猫背、反り腰になると腰の筋肉が疲労し腰痛につながることがあります。
スポーツ
スポーツなどをしていて筋肉に疲労が蓄積し腰痛につながることがあります。姿勢が悪い子がスポーツをすると姿勢が良い子よりも腰に負担がかかることがあります。
運動不足
最近では大人だけではなく子供も運動不足の人が増えています。外で遊ぶよりも家でゲーム、体育の時間しか運動をしないとなると骨や筋肉が強くならないだけではなく姿勢の悪化、バランス力、身体をうまく使えない状態になり腰痛が起こりやすくなります。
遺伝的
親が腰痛持ちだと腰が痛くなりやすい体質、姿勢、習慣、環境などが遺伝して腰痛が起こりやすい場合もあります。
猫背からの腰痛
お子さんは猫背になっていませんか?日頃から猫背だとスポーツをしている時も当然猫背になります。スポーツをしていなくても子供の腰痛につながる可能性があります。
背中に疲労がたまる
猫背姿勢は背中が丸くなっている状態です。子供は筋肉が柔らかいものですが背中が丸い状態を続けると子供でも背中に疲労がたまり筋肉が硬くなっていきます。当院にお越しのお子さんも肩がこっているというお子さんも来院されています。背中の筋肉が硬くなってくると次第に腰の痛みにつながることがあります。硬い状態でスポーツをすると腰を痛めやすくなります。
ストレスの影響
ストレスが腰痛に関係することがあります。猫背になると肺が圧迫され呼吸が浅くなり酸素の摂取量も減ります。集中力の低下、持久力の低下など勉強やスポーツに影響が出て効率が落ちストレスから腰痛につながることもあります。
背骨に負担がかかる
背中が丸いということは背骨も当然丸くなっています。本来S字カーブを描いている背骨が丸くなってしまうと頭の重さや地面から受ける衝撃を分散できず背骨に負担がかかってきます。背骨に負担がかかると分離症へのリスクも高くなります。
反り腰から腰痛
腰が通常よりも反っていれば誰でも腰痛のリスクはあります。猫背は逆に骨盤が後ろに倒れて反りがなくなっている状態です。通常は軽く反っている状態が一番腰に負担がかかりません。軽く反ることによって背骨がクッションの働きをしますが反りすぎるとクッションの遊びがなくなり衝撃を吸収しにくくなってしまいまい腰痛を起こしやすくなります。
反り腰になる原因は体幹筋の弱さがありますがお腹を突き出して体幹をあまり使わず立とうとしてしまいます。また、逆に良い姿勢を取ろうとして胸を張り背筋を使いすぎている場合もあります。どちらの場合も腰に負担がかかってきます。
左右バランスの崩れからくる腰痛
お子さんの肩の高さの違いや片方の靴だけ減り方が多いなどはありませんか?左右バランスが整っていると左右バランスよく負担がかかりますが、左右非対称だと左右どちらかにばかり負担がかかり、右の腰が痛いなどの偏った負担が腰にかかります。座り方もまっすぐ立ったり、座ったりすることがつらくなり、足を組む、ほおづえをつく、何かによりかかるなどの動作につながります。
側弯症とは
背骨が正面から見て左右に曲がる状態です。側弯症は、機能性側弯症と構築性側弯症に分けられます。機能性側弯症は、姿勢の悪さ、脚の長さの違い、ヘルニアなどの痛みなどが原因で一時的に背骨が曲がっている状態です。骨の変形がなく原因を取り除けば改善が期待できるのが特徴です。構築性側弯症は骨が変形していて本当に側弯になっているもので突発性という原因がよくわからないものと原因が病気であることが分かっている側弯症があります。
側弯症から腰痛
症状がない場合もありますが本来前後にカーブを描いている背骨が横に曲がるわけですから進行すると腰痛につながることがあります。痛みをうったえなくてもお子さんの左右バランスがおかしいと思ったらまずは整形外科を受診することが大切です。構築性の場合は整形外科でないと対応できません。
機能的な側弯
改善しやすく接骨院でも対応できます。当院に通院されたお子さんも整形外科でレントゲンを撮ったらかなり改善されていたという例もあります。機能的であっても側弯症と診断されたら整形外科と併用して通院する事が大切です。機能的であっても成長期が終わると身体が硬くなり段々改善は難しくなります。
機能的側弯の原因
- 日常の姿勢の悪さ
- いつも同じ方向で荷物を持つ
- 頬杖をついて勉強やスマホみる
- 脚を組む
- 足や腰に痛みがあるとそれをかばおうとする姿勢
子供の姿勢が悪いけどどうしたら
姿勢の悪さが腰痛の原因になることがありますが姿勢をどう直せばいいのでしょうか。当院では姿勢が悪くて気になっているという保護者の方からのお問い合わせがよくあります椅子に正しく座れない、すぐ疲れたといって床でごろごろしてしまうなど、どうすればいいかわからないなどのお話を伺います。
姿勢が悪くなる原因は筋力が弱いというのも一つの原因ですが、悪い姿勢が当たり前になっている、外であまり遊ばなくなり全身を動かす機会が減った、ソファーなどでゲームをしているなどの生活習慣が原因にもなります。姿勢を改善していくためには筋力をつけるだけではなく良い姿勢が何なのかを理解し、良い姿勢を取る時間を少しづつ長くしていくことが大切です。
姿勢の悪さは腰痛だけではない
姿勢が悪いとだらしなく見えたり、行儀が悪く見えたり、やる気がないように見えたりします。更に姿勢が悪いと筋肉に負担がかかり腰痛だけではなく、スポーツでケガをしやすくなります。
姿勢が良いと次の動作にもスムーズに移りやすくなりますが、姿勢が悪いといったん良い姿勢に立て直してから次の動作に移らないといけません。動作が遅れるので躓きそうになった時に体勢を立て直すことが遅れたり、相手と接触しそうなときにかわすことができなくなりケガをするリスクが上がります。
姿勢が悪いと呼吸が浅くなり口呼吸になります。鼻呼吸だと鼻毛などが誇りをよけてくれますが、口呼吸はダイレクトに口の中にウイルスなどが入りやすく感染のリスクも上がりやすいといわれています。
姿勢を治すのは早い方がいい
赤ちゃんは身体が柔らかく姿勢が悪いということを気にすることはないでしょうが、小学校低学年くらいから気にする人は増えてきます。最近では年中さんくらいからゲームやユーチューブなどをするようになり、小学生くらいになると正しい姿勢ができないようになっていきます。
子供の時に1年2年と悪い姿勢でいると、脳や身体が悪い姿勢が正しい姿勢と認識してしまい戻すには期間が必要になってきます。そのまま大人になってしまうと更に戻しにくくなっていきます。姿勢が悪い歴が長くなれば戻しにくくなるので早い方が戻しやすいです。
まとめ
お子さんが腰痛をうったえたらまずは整形外科を受診した方がいいでしょう。分離症であった場合、分離症が治ったとしても腰の骨にかかる負担を変えなければまた腰に負担がかかります。再発を防ぐためには姿勢や身体のバランスを変えるというのも一つの方法です。
姿勢の悪いお子さんは悪い姿勢が正しい姿勢だと認識しています。姿勢が悪いから良くしなさいといっても、良い姿勢ががどんなものかわからないし、何が悪いのかわかっていませんので、何度言っても伝わりません。
姿勢を改善するためには、当院では写真を撮り姿勢をお子さんにもわかるように目で見てご説明いたします。どこが悪いのか、どうすればいいのかを理解してもらうのが一番の近道だと思います。お子さんの腰痛でお困りの方はご相談ください。






