ぎっくり腰とは?
ふとした瞬間に急激に腰に痛みが出る場合と、ピキッときたけどその時は大丈夫かと思っていたら徐々に痛みが強くなるぎっくり腰もあります。ぎっくり腰になるとまっすぐ歩けない、立ったり座ったりができない、ひどくなると全く動けないなどの症状が出ます。
ぎっくり腰は年齢などに関係なく誰でも発症する可能性があります。ぎっくり腰は、腰痛のひとつであり、正式な病名ではありません。ぎっくり腰は、腰痛の中でも、急に起こった腰の痛みである急性腰痛症になります。発症してから1ヶ月以内のものを急性腰痛症といいます。
また、ぎっくり腰は、非特異的腰痛といって検査をしても異常がない腰痛です。ヘルニアなど異常がある腰痛は特異的腰痛といいます。腰痛に悩まされている方のほとんどが検査で異常のない非特異的腰痛です。
ぎっくり腰のきっかけは?
重いものを持ち上げた時にというイメージがありますが、必ずしも重いものを持った時ではなく、靴下を履いた時、後ろを振り向いたとき、くしゃみをした時、朝起き上がる時、など些細な動作や全く何もしない状況じわじわ痛みが出る事があります。
ぎっくり腰は、通常は1週間くらいで徐々に痛みが治まっていき発症から1ヶ月以内で改善がみられるものです。しかし、そのうち治るだろうと思って放置していたら1ヶ月以上痛みが続き下肢にしびれが出たりする場合には、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなどの可能性がありますので整形外科を一度受診された方がいいです。
ではなぜぎっくり腰は起きてしまうのか?
ぎっくり腰は疲労が蓄積されて筋肉が硬くなり限界に来た時に起こることが多いので誰でもなる可能性があります。しかし、治りにくい方、繰り返しやすい方には分かれます。それは運動不足の方が多いです。運動習慣がある人はぎっくり腰になっても回復が早かったり、繰り返しにくいですが、運動不足の方は治りが遅かったり、繰り返す頻度が早かったりします。それは運動不足の方は筋力が低下して日常生活の中で疲労が蓄積されやすく、筋力がある方は疲労が蓄積されにくいからです。
身体の使い方にも差があります。うまく全身の筋肉や関節が使えている方はぎっくり腰は起こりにくいのですが体をうまく使えていない方は、腰という1か所に負担がかかってきます。
ぎっくり腰はなぜ繰り返すのか?
痛みが治まると姿勢が悪く体が硬いまま同じ生活に戻るのでまた疲労が蓄積されて繰り返してしまうのです。腰痛も慢性化してしまいます。繰り返さないためには姿勢をた正して筋肉を柔らかくし全身をうまく使える状態にしていかないといけません。
ぎっくり腰になりやすい人の特徴とは?
ぎっくり腰や慢性腰痛の人に多い特徴として運動を何もしていないという人が多いです。誰でもぎっくり腰になる可能性はありますが運動をしていればならないということはありません。しかし、ぎっくり腰になる確率、腰を痛めた時の回復力には差があるように感じます。
肥満の人はぎっくり腰になりやすいというよりも、日頃からあまり運動をしていない人が多いです。痩せた人でも、運動不足の人はなりやすいです。しかし、体重が多くて運動不足の人の方が腰にかかる負担は大きくなります。ぎっくり腰になりやすい人は腰を支えている体幹の筋力が弱っていると思います。腰にかかる負担をサポートできなくなっている可能性があります。
・スポーツ選手がなることもあります。
ぎっくり腰は運動不足でお腹の筋力が弱い方がなりやすいですがスポーツ選手でもなることがあります。競技にもよりますがジャンプを繰り返す、バレーボールや体操選手などは腰に負担がかかりやすい競技です。体幹の筋トレをしていても繰り返しの負荷が毎日かかるとなることがあります。
・歳を重ねるとなりやすい
加齢により、ギックリ腰をはじめとする腰痛に悩む人は増えます。それは長年の姿勢などにより椎間板や腰椎に負担がかかり変形したりすることと、年齢による筋力低下が原因です。腰に不安を抱えず、何歳になっても元気で動き続けるために、早いうちから正しい姿勢と筋力低下を防ぐことが必要です。
・座りすぎ
座ると立っていいるときよりも腰に負担がかかります。それは座るとお尻の筋肉で体重を支え背中が丸くなりやすくなるからです。重いものを持つ仕事の方よりもデスクワークの方のほうがぎっくり腰で来院される方は多いです。
ぎっくり腰にならないようにするための予防法は?
一番は運動をして筋力をつけることになります。それ以外に出来る事は腰に負担のかかるような姿勢を長時間続けない事です。デスクワークの方は運動不足にもなり腰に負担のかかる姿勢を続けぎっくり腰になることが多いです。立っている時よりも座ったままの方が腰に負担がかかります。1時間に1回は立ち上がってストレッチなどをした方がいいと思います。下にあるものを持つ場合は腰を曲げて持ち上げるのではなく膝を使って持ち上げると腰の負担は軽くなります。
ぎっくり腰になりにくい座り方は?
悪い姿勢よりも良い姿勢で座る方が腰にかかる負担は少ないです。猫背になっている座り方が一番腰に負担がかかります。逆に、良い姿勢をしようとして腰をそる座り方も腰には負担がかかるので、背中が丸くならず腰をそらないニュートラルな姿勢が腰にかかる負担は一番少なくなります。ただ、良い姿勢であっても同じ姿勢を何時間も続けていると腰に負担がかかるので、長時間同じ姿勢を続けないことが大切です。
ぎっくり腰になってしまったら?
施術を受けた後、安静にすることが大切です。仕事を休めない場合は当院ではコルセットの貸し出しをしています。極力腰に負担がかかる仕事はしないようにしないといけません。家で安静にする姿勢も大切で座って安静にすると腰に負担がかかるので横になって少し丸くなる寝方が腰には負担が少なくなります。
対処法
・安静にする。
ぎっくり腰になり痛みがあるときは安静にすることが大切です。しかし安静にしていても悪い姿勢で安静にしていると悪化します。個人差がありますが、代表的なのが、横向きで横になる。もしくは仰向けで膝を曲げて寝ることです。座ると立っているときよりも腰に負担がかかりますので、横になりましょう。
・温めるか冷やすか?
受傷直後は患部が炎症を起こして熱を持っていることが多く、腰をさわって熱を持っていたら冷やさないといけません。ぎっくり腰になった日に湯船にしっかりつかって悪化することはよくあります。炎症がおさまると今度は温めないといけません。
・安静にしすぎない
腰が痛いから、動くと痛くなるからと安静にしすぎると筋肉はどんどん弱くなり、体も固まってしまいます。ギックリ腰の発症以前にできていた正しい姿勢や動きまで忘れてしまう事がありぎっくり腰を繰り返してしまう原因になります。痛みが落ち着いてきたら、痛みへの恐怖心を乗り越え、できるだけ動かし安静にして衰えた筋力を取り戻さないといけません。ぎっくり腰を繰り返している方は痛みに恐怖心があり、背中のアウターマッスルが率先して働くため、お腹のインナーマッスルが使いにくくなり、腰痛の慢性化につながります。
ぎっくり腰の施術
施術メニューは接骨(急性症状)です。
ぎっくり腰はハイボルトという電気施術で痛みを緩和していきます。患部にMCRという炎症を抑えるあまり感じない電気を流しながら全身の筋肉を緩めます。ほとんどの方が1回から3回の施術でぎっくり腰の施術は終了します。それからご希望の方のみ再発予防のため体のバランスを整え腰のみに負担がかからないような施術をしていきます。
体を支えている骨格が歪んでいると体全身の筋肉が緊張してしまいます。緊張状態で重たい荷物等も持つとその衝撃でぎっくり腰を患ってしまうケースが多く、歪みを整えることが痛みの改善には必要であると考えております。
また適度な運動習慣も欠かせません。運動でストレス発散や、運動不足で腹筋や背筋の筋力が落ちれば、ますます腰痛体質から抜けられなくなってしまいます。自己流トレーニングで腰痛を悪化させることがありますのでトレーニングサポートも行っています。