毎日体がだるい、なんか不調が続く、病院に行って検査をしてもらったけど何も異常が見つからない。このような慢性的な不調を抱えている人は少なくないのではないでしょうか。そのような不調は自律神経の乱れが原因かもしれません。自律神経が乱れると頭痛、めまい、肩こり、腰痛、不眠、イライラするなど様々な不快な症状に悩まされます。
では何が自律神経の乱れにつながるのでしょうか。1番はストレスだといわれています。人間関係によるストレス、不規則な生活や食事、寝不足、仕事の肉体的ストレスなど、1回行っただけでは大したストレスにならなくても、些細なストレスを毎日積み重ねることで自律神経が乱れていきます。
自律神経が乱れると最初に血流が悪くなります。すると頭痛や肩こり、倦怠感を感じるようになり、不眠や不安感、やる気が出ないなどの症状につながっていきます。
自律神経とは
自分の意志でコントロールできない神経で24時間休みなく働いています。例えば、呼吸、心臓を動かす、血液を送る、消化吸収、汗をかいて体温調節をするなど生命維持に重要な働きをしています。また、自律神経には活動的にする交感神経とリラックスさせる副交感神経があります。
交感神経とは
交感神経は日中優位に働き、集中力を高めたり、コミュニケーションを取ったりなど活動しているときに働きが高くなります。また交感神経は緊張してストレスを受けると急激に高くなります。ストレスを毎日受けていると交感神経が常に高くなり自律神経の乱れにつながります。交感神経が働くと、血管が収縮し、血圧の上昇、心拍数は高くなり心身ともに緊張状態になります。そのため交感神経優位が長時間続くと検査では異常のない不調の原因になります。交感神経は日中優位になり、夜に弱くなるのが理想です。夜も交感神経が働くと不眠になり生活リズムも乱れ、自律神経のバランスに影響が出てきます。
副交感神経とは
副交感神経はリラックスしているときに働きます。例えば、ゆっくりお風呂に入ったり、音楽を聴いたりなど、緊張が緩むと働きます。血流が良くなり、血圧や心拍数の低下し休憩モードに入ります。通常は夜に働きリラックスさせて自然に眠くなります。日中のストレスが強すぎると夜も交感神経が優位に働き、睡眠に影響が出ることもあります。また、副交感神経が優位になると免疫機能が働きやすくなります。しかし、副交感神経ばかり優位になってしまうと、眠くなったり、疲れやすくなったりします。自律神経はバランスが重要になります。
この二つバランスはさらに4つに分かれるといわれています。
- ①交感神経も高く、副交感神経も高い
- ②交感神経は高く、副交感神経は低い
- ③交感神経は低く、副交感神経は高い
- ④交感神経も低く、副交感神経も低い
理想は①の状態で心身ともにベストな状態です。②にと③はアンバランスの状態でイライラしたりやる気がなくなったりなどの特徴があります。④は無気力の状態です。
自律神経が乱れる原因とは
不規則な生活や仕事の疲れなどの精神的、肉体的ストレスなどが蓄積されていくと、自律神経のバランスが乱れたり、働きが弱くなったりしていきます。月曜日から金曜日まで仕事をしている人であれば週末にかけて疲労が蓄積されていきます。土日の休みでうまくそのストレスを解消できればいいですが家庭の事情もありうまく解消できていないとストレスをためたまま次の月曜日を迎えることになります。この状態が何か月も続いていくと自律神経が乱れていきます。
ストレス
人間はストレスを感じると、交感神経が過剰に働き、自律神経のバランスが乱れます。しかし。生活の中で全くストレスを感じないようにするのは不可能です。疲れた時は休養を取ったり、気分転換したりなど、ストレスを蓄積させないようにストレスと、どう付き合っていくかが大切になります。
不規則な生活習慣
夜勤などがある人は難しいですが、起きる時間や睡眠時間、食事をする時間や3食バランスの良い食事などが乱れると自律神経に影響が出てきます。
運動不足
デスクワークなどで長時間座りっぱなしなどでほとんど動かないことも影響します。激しい運動はする必要ないので歩くことだけでも行うことが必要です。
自律神経を整えるには
自律神経を整えるには規則正しい生活がとても大切です。理想は日中に交感神経が優位に働き、夜は副交感神経が優位になることです。しかし、自律神経は自分の意志でコントロールできません。自律神経をコントロールしているのは、人間の身体に備わっている体内時計が関係しているといわれています。基本的に朝目覚めて、夜に眠くなるというのは体内時計が管理しているといわれています。夜更かしをしたり不規則な生活続くと、体内時計が狂い、自律神経の乱れにつながります。体内時計の周期は25時間といわれています。一日24時間に対して1時間の誤差があります。通常は日常生活でこの誤差を修正しながら生活していますが、不規則な生活習慣で修正できなくなり、ますます自律神経が乱れていきます。
1日の始まりが大切
体内時計の乱れを修正するには、朝起きたら太陽の光を浴びて、朝ごはんをしっかり食べるという基本的な事を毎日するだけでも乱れを修正していくことができます。夜更かしをして1分でも長く寝るために、出勤ぎりぎりまで寝て朝ごはんを食べずに出勤する。このような事から自律神経の乱れが始まります。
また、朝起きたら太陽の光を浴びることで、睡眠中に副交感神経が優位になっているので、交感神経に切り替えることができ、体内時計をリセットできます。更に、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンとい脳内物質が分泌されます。幸福感や安心感をもたらし心が落ち着く効果があるといわれています。逆に不足すると不安感やイライラを感じやすくなります。曇りや雨の日でも同じ行動をすることは自律神経を整えるのに大切な事です。
水分補給
体内の水分が不足すると、血液がドロドロになり血行が悪くなると自律神経に影響が出ます。とくに寝ているときは水分補給ができないため、朝起きた時には誰もが軽度の脱水状態になっています。起きたらすぐに水分補給をすることで、血流が良い状態で1日を始めることができます。何も食べず、何も飲まずに出勤をしていたら血液がドロドロの状態で1日が始まることになります。
呼吸
呼吸の深さは自律神経に影響を与えます。ゆっくり深い呼吸をしているときは自律神経が安定し、呼吸が早く浅い呼吸をしているときは乱れます。自律神経は一度乱れると3時間は戻らないといわれています。集中しているときは交感神経が働き呼吸が浅くなります。深呼吸などしてリセットすることも大切です。
集中力が続く時間
人間の集中力には限界があり、仕事や勉強など何時間も休まずに行うことは効率も悪くなります。人間の集中力は長くても90分といわれています。更に30歳を過ぎると集中力は低下していきます。理想は45分に1回は休憩をはさむことです。座り続けていると血行が悪くなり、自律神経に影響を与えます。仕事の場合はストレッチなどができればいいですができる空気ではない場合はお茶を入れたりトイレに行くなどして少し歩くだけでも違います。
食事のとり方
理想は、朝昼晩1日3回、決まった時間に食べることです。食事は栄養を取るためだけではなく、腸に刺激を与えるためにも必要です。腸は食事をとる刺激で働きが活発になり環境が良くなります。1日1回や2回の刺激では働きを活性化するには足りません。逆に何回も食べて刺激を与えすぎると疲れてしまいます。1日に3回が腸の刺激、休息に理想のペースになります。1日3回でも食べる時間が不規則だと休憩が長すぎたり短くなりすぎたりしてよくありません。間隔は5~6時間で晩は寝る前3時間までにすますのがベストです。
食事の量
朝食は1日の始まりになるので一番重要です。早めに起きてゆっくり朝食をすることで、胃腸を刺激し血行が良くなります。朝は多めに食べても日中に消費されるので多めに食べても問題ありません。ご飯やパンなどもエネルギーになります。
昼食は8分目くらいにして軽めにするのがおすすめです。昼食は食べずに昼にがっつり食べると自律神経が整いません。食事中は交感神経が高まります。食べると汗をかく人もいますが交感神経の働きです。食後は副交感神経が働き食べると眠くなることがあります。これは自律神経が急転換からくるといわれています。
夕食は多めに食べたとしても寝る3時間前には食べ終わることが大切です。食後は消化活動が活発になり食べたものは3時間くらいものによっては4~5時間かけて消化されていきます。消化されないまま寝てしまうと胃酸が逆流したり、血糖値が下がらないままだと脂肪が蓄積されやすくなります。
帰宅後の休み方
仕事で疲れて帰るとすぐにソファー休んでから家事をするということはあるのではないでしょうか。帰宅直後は交感神経が高いままになっています。少しでも休むと急に副交感神経が働きます。休んでから家事をしようとするとよけいに疲れて自律神経を乱す原因になります。まだやることがある場合は先に済ませてから後でゆっくりする方が疲れも取れて自律神経が整います。少しずつ交感神経から副交感神経に切り替えることが大切です。
適度な運動
疲れているからといって休みの日にだらだらと過ごしてしまうと自律神経が乱れやすくなります。自律神経を整えるには適度な運動が必要です。しかし、激しい運動は交感神経が働きすぎてよくありませんし、今まで運動不足だった人は続きません。ウォーキングがおすすめですが暑い寒い天気が悪いなどで外に出ることが苦痛になることがあります。そのような場合は家でスクワットをするのがおすすめです。
スクワットはテレビを見ながらもでもできるので続きやすいと思います。自律神経のためには追い込む必要もありませんしダンベルなどの道具も必要ありません。スクワットをすることで下半身のポンプ機能が働き、血行が良くなります。自律神経を整える目的で行うスクワットは深呼吸をしながらゆっくり膝が90度になるくらいまで3秒かけて下ろし、3秒かけて立ち上がるのがポイントです。深く曲げたり、負荷をかけたり、早く行うと呼吸が浅くなります。90度曲げるのがきつい人は120度くらいのところでも構いません。10回くらいを目安に呼吸が乱れないところで終わりましょう。自律神経を整えるには血行を良くする必要があり、これを毎日続けるだけで自律神経を整えることができます。
入浴
入浴は自律神経を整える効果があります。しかし、熱いお風呂は交感神経が働き血圧が上がったり、寝つきが悪くなったりします。ぬるめのお湯で15分くらいリラックスしてつかることで自律神経を整える効果があるといわれています。身体の深部から温めると睡眠の質も良くなります。
自律神経を整えるストレッチ
わき腹伸ばし
脇やお腹周りを伸ばすことで血行が良くなりリラックス効果があります。

脚は肩幅に開き、鼻から息を吸いながら腕をクロスさせた状態で、できるだけ肘を伸ばします。息をゆっくり吐きながら横に倒していきます。ゆっくり元の状態に戻し同じように反対側も行います。これを1分繰り返します。
腸もみストレッチ
深呼吸しながら腸をマッサージすると働きが良くなり、自律神経を整え血流を良くする効果が期待できます。

脚を肩幅に広げ両手で肋骨の下あたりをつかみます。つかんだわき腹をもみながら3秒かけて鼻から息を吸いながら背中をそらします。3秒かけて口から息を吐きながらお腹を絞ります。元の姿勢に戻りこれを1分間行います。
睡眠の質
睡眠時間だけではなく良質の睡眠は自律神経を整えるうえで大切です。副交感神経がしっかり働いてリラックスした状態で眠ると良質の睡眠をとることができます。睡眠時間が短くても朝すっきり起きれるときは良質の睡眠がとれている時です。交感神経が働いた状態で寝ると何時間寝てもすっきり起きることができません。
良質の睡眠をとるためには寝る前3時間の過ごし方が大切になります。夕食を3時間前までにすまし、お風呂でゆっくり、スマホは寝る1時間前には見ないようにしましょう。これらが習慣的にできるようになると自律神経が整います。
まとめ
整体の施術は、筋肉の緊張の緩和や身体のバランスを整えることで血流を改善し、副交感神経が働くことで自律神経の乱れを整える効果が期待できます。自律神経を整える一つの手段ではありますが、日常生活どのように過ごすかが一番大切になります。当院では日常のアドバイスまで行っていますので原因のわからない不調でお困りの方は一度ご相談ください。