整体などの施術を受けた後に何かしらの症状が出ると好転反応、もみかえしと呼ばれることがあります。こうした症状のことを聞くと整体が怖いという方もいるのではないでしょうか。基本的には好転反応は良い反応でもみ返しは悪い反応になります。
よくマッサージを受けた後にはもみ返しといわれることがありますが、好転反応ともみ返しは違います。好転反応は1,2日でなくなることが多く、もみ返しは3日以上続くことが多いです。
当院では好転反応という言葉は使わず、施術後だるさや違和感を感じるということを伝えています。一般的なもみ返しと好転反応について解説していきます。
もみ返しとは
マッサージの施術を受けた後によくある身体に悪い反応のことをいいます。もみ返しの原因は強すぎるマッサージやストレッチなどの施術によって、筋線維が損傷し、炎症を起こして痛みとして感じることです。強い刺激で内出血が起こることもあります。
強い刺激は逆に筋肉が反発し硬くなります。よくある症状は押された所の痛みや凝りがひどくなることが多いです。筋肉が損傷しているので回復まで時間がかかります。
もみ返しは強い刺激で起こることが多いですが、マッサージチェア、マッサージガン、フォームローラーなどを強くやりすぎ、長くやりすぎでも、もみ返しが起こる場合もあります。過度のストレッチでも刺激量が強ければ、筋肉を損傷して痛みが残ることがあります。
もみ返しと好転反応は、大きく違いがありもみ返しは損傷して身体が危険信号を出しているのに対して、好転反応は身体の回復状態にあります。
もみ返しの原因とは
強い刺激
強い刺激による施術で筋肉が損傷することが原因の事が多くあります。また、強い刺激は初めは痛くなっても施術を受け続けると刺激に慣れてきてあまり感じなくなり、どんどん刺激を強くしていかないといけなくなる知覚鈍麻が起こる場合もあります。
刺激の入り方によっては、痛いと感じる場合と痛気持ちいいと感じる場合があり、痛いと感じる場合はもみ返しになることが多いとされています。歯を食いしばりながら施術を受けないようにしないといけません。
施術者の経験不足
施術者の経験不足により、一人ひとりに合わせた適度な刺激の入れ方ができていないことがあります。また、知識不足により、刺激を入れていいところ、いけないところの違いがわからず、いけないところに施術をしてもみ返しがでてしまう場合も考えられます。
整体やマッサージが初めて
整体やマッサージを受けるのが初めての場合無意識のうちに緊張することがあります。緊張すると筋肉も過度に収縮しその状態で刺激を受けるとも見返しが出やすくなることがあります。
個人差
筋肉の強さには個人差があり、同じつ強さで刺激を受けても効く人と効かない人がいることも当然あります。運動不足やデスクワークで筋肉がガチガチに凝り固まっている人はなりやすい事もあります。
もみ返しになってしまったら
施術者に刺激量を調節してもらう
施術中に刺激が強いと感じたら、我慢せずに刺激を調整してほしいと伝えてください。刺激が強ければ効果が出るというわけではありませんので、経験豊富な施術者なら刺激量を調節して効果的な施術をしてくれるでしょう。
冷やす
もみ返しは筋肉が損傷して炎症を起こしていますので、まずは痛みがあるところを氷嚢やアイスノンで冷やしてください。いたみがあるところ冷やすことで、炎症を抑え痛みが緩和しやすくなります。5分から10分くらい冷やして間隔をあけ触って熱を感じたらまた冷やすことを繰り返しましょう。
冷やし過ぎは凍傷になりますの南角は必ず開けましょう。氷が冷たく感じる場合はタオルなどを一枚はさんで冷やすといいでしょう。またもみ返しになったた当日と翌日は、湯船につからずシャワーだけにすることがオススメです。
激しい運動を控える
もみ返しは筋肉が損傷していますので、激しい運動をすると、筋肉の回復が遅れ痛みが長引くことがあります。痛みがあるところは安静にして回復させないといけません。
アルコールは控える
飲酒は、筋肉の修復を妨げになることがあります。アルコールで血行が良くなると炎症がひどくなり痛みが強くなることもあります。もみ返しを感じているときは飲酒を控えましょう。
好転反応とは
整体で施術を受けた後に身体のだるさや違和感、眠くなるなどの症状のことをいいますとくに初回の施術を受けた後には起こりやすく、身体に変化が起こっているからです。施術を受けるとで筋肉の緊張が緩和されて血行が良くなります。また、身体に溜まっていた老廃物や疲労物質などが排出されることなどで好転反応として症状を感じます。身体への刺激があまりに多いと、吐き気が出ることもあります。
好転反応が出やすいとき
姿勢が急に改善されたとき
今まで姿勢が特に悪かった人は整体を受けると身体のバランスが整い、1回の施術でかなり姿勢が改善されることがあります。急激に身体のバランスは大きく変わると正しい姿勢に違和感を感じたり、だるく感じる事があります。とくに筋肉が過度に緊張している場合は起こりやすいです。
急に血行が良くなった時
特に身体がこり固まっていた人は血行が悪くなっています。施術を受けたことにより筋肉の緊張が緩和され急に血行が良くなると、好転反応の症状が出ることがあります。例えば運動不足の人が急に運動を始めるとだるくなったりすることがあるのと同じような感じです。
基本的な好転反応の種類
一般的な好転反応といわれる種類。
弛緩反応
施術直後や次の日に起こりやすく、身体にだるさや眠気を感じる好転反応です。ソフトな施術を受けると副交感神経が働き身体がリラックスすることができます。また、施術により筋肉のこりが緩和されると、血行が良くなります。この時にだるさや眠気につながることが多くあります。
過敏反応
身体に痛み、発汗、かゆみなどが起こります。施術を受けたところの血流が急に良くなることで、施術を受けたところに症状が出ます。また、特に首肩こりがひどい人がこりが緩和されると頭部への血流が急に良くなることで頭痛が起こることがあります。
排泄反応
施術を受けることで、細胞が活性化され解毒作用が現れます。すると、老廃物や疲労物質の分解、排泄機能働きが良くなります。このような反応により排尿や排便の量や色、においの変化や、ニキビや、湿疹が出る場合もあります。
回復反応
施術後に身体が健康な状態に戻ろうとするときに一時的に起こる不調のことをいいます。血流やリンパの流れが良くなると、体内に停滞していた老廃物が体内を巡ることで、倦怠感、発熱、吐き気、腹痛、などの症状が出ることがあります。これは回復するときに現れるサインであり、もみ返しとは違います。
好転反応の期間
施術後1~3日くらいで好転反応の症状を感じはじめ、1~3日くらい症状が続くことが多いといわれています。個人差があり、症状が出てからなくなるまで、施術方法によっては1週間くらいかかることもあります。
施術を受けた日は
安静にする
施術を受けると何かしら身体に変化が起こりますので好、転反応が出ていなくても施術を受けた日は、無理をせず安静に過ごすことが必要です。症状を感じた時に無理に運動したりすると、回復が遅れ身体に負担がかかる可能性があります。特に、倦怠感が強い場合は安静にするようにしましょう。
充分な睡眠
施術を受けた日は、身体の回復を優先させるため、充分な睡眠時間を取ることが重要です。身体を回復させるには、質の良い睡眠が必要です。施術後すぐに倦怠感を感じた場合はしっかり睡眠をとることを心がけましょう。午前中に施術を受けた場合は仮眠を取るだけでも効果があります。
好転反応の医学的根拠
ここまで、もみかえしと好転反応についてご説明させていただきましたが、好転反応には医学的根拠ないといわれています。マッサージやエステだけではなく、健康食品業界などでも好転反応という言葉は使われています。
一般的には身体が良くなる過程でしょうがないものみたいなイメージもあると思います。また、東洋医学には瞑眩といわれ、体内の老廃物などが排出されるときに一時的に体調が悪くなるということが言われています。好転反応は、瞑眩と結びつけられていることがあります。
しかし、実際にありえる症状として施術後の軽い運動をした後のようなだるさや眠気というものはどれだけ腕の良い施術者がソフトな施術を行っても起こる可能性はあります。
施術は日常生活では受ける事のない刺激を与える事になります。施術を受けた後は受ける前と比べて筋肉の硬さや身体のバランスに変化もあります。副交感神経が働くと眠くなることもあります。血行が良くなると心地よい重だるさを感じることがあります。
症状が出たとしても1~2日でなくなれば問題ありません。逆に施術後何も感じないのも問題があります。この場合は好転反応といってもいいでしょう。しかし、痛みや吐き気が出て不快だと感じる状態や症状が1週間以上続く場合は好転反応とはいえません。
好転反応といえないこと
- 施術されたところが痛くなる
- 痛みの改善で施術を受けたのによけい痛くなった
- 3日以上続いてしまう不快感
- 吐き気
- 発熱
などがあります。
軽い運動をした後のような心地よい重だるさ、眠気、など以外の症状は、もしかすると施術方法に問題があるかもしれません。このような反応が起こった場合は施術者に施術を調節してもらえるか相談してみてください。好転反応だから問題ありませんと言われ施術の調節をしてもらえない場合、施術所を変えた方がいいでしょう。
施術法の種類
施術法にはいろいろ種類があり、国家資格が必要な施術もあれば必要ない施術、骨をバキバキする施術、意図的に強い指圧で刺激する施術、鍼刺激や熱刺激などもあります。どれが合うかは種類や同じ方法でもやり方が施術者により違うので施設、施術者選びで悩むことも少なくないでしょう。どれを受けても施術後に何かしらの反応がある可能性はあります。
整体
骨盤や背骨などの歪みを手技によって矯正し、筋肉や骨格のバランスを整えて不調を改善する民間資格です。施術方法は整体院や施術者によって異なり、決まりがありません。
接骨
骨折、脱臼は応急処置、打撲、捻挫などの外傷に対しての施術。柔道整復師の国家資格が必要。
理学療法
病気やケガなどで低下した運動機能を回復させるために運動療法などのリハビリテーションを行う施術です。理学療法士の国家資格が必要。
もみほぐし
国家資格は必要なく、研修を受けた施術者がリラクゼーション目的で行う施術です。
マッサージ
国家資格であるあん摩マッサージ指圧師が筋肉の緊張を緩和し血流を促進するのが目的で行います。
指圧
母指を中心として全身のツボを押圧し自然治癒力の働きを促進させる手技。指圧を治療目的で行うにはあん摩マッサージ指圧師の国家資格免許が必要。
あん摩
押す、もむ、なでる、叩くなどの手技で、健康を増進させる手技。あん摩マッサージ指圧師の国家資格が必要。
カイロプラクティック
手技で背骨や骨盤などを矯正し、神経の働きを良くして自然治癒力を高め不調を改善することを目的とした手技。日本では国家資格ではなく、民間資格になります。
オステオパシー
最大限に自然治癒力を引き出すアプローチをして身体の機能を回復させることを目的とした手技。日本では国家資格ではなく、民間資格になります。
鍼
身体のツボに細い鍼を刺して刺激を与え血流を改善し身体の不調を緩和する施術。はり師の資格が必要。はり師、きゅう師、両方あれば鍼灸師といわれ国家資格になります。
灸
身体のツボに温熱刺激を与えて、自然治癒力を高めて症状を緩和する施術。きゅう師の国家資格が必要。
電気療法
電気刺激を筋肉や関節に与えて痛みの軽減などをする施術。整形外科、接骨院などで受けることができます。
まとめ
筋力トレーニングは大きい負荷を筋肉にかけて1回筋繊維を損傷させ筋肉が回復したときに前よりも強化されるというものです。また、回復しているときに筋肉痛という症状が出ることがあります。大きい負荷の筋トレが苦手な人もいれば好きな人もいます。筋肉痛が苦痛の人もいれば筋肉痛が心地いと感じる人もいます。
世の中にはいろいろな施術法があり筋力トレーニングのように意図的に強い刺激を入れて回復したときによい状態になるという施術もあります。強い刺激が必ずしも悪いということではありません。
好転反応の感じ方は個人差があり、中には施術は痛いけど終わった後、楽になるから良いという人もいますので一概には言えませんが、好転反応ともみ返しの違いは施術中に不快であるか、施術後不快であるかがポイントになります。施術者の経験値にもよりますので、これらのことを施術選びの参考にしてください。