足趾の変形
当院では小学生や中学生も姿勢矯正で来院されていますが、最近、外反母趾、内反小趾、など、通常大人の女性に多い足趾の変形が、最近では子どもにも見られるようになってきています。
・外反母趾 親指が曲がる
・内反小趾 小指が曲がる
・かがみ指 足趾が丸まる
・偏平足 土踏まずがなくなる
・浮指 足趾が地面につかない

巻き指(カーリートゥー)とは?
巻き指は足指の腹が内側を向いて少し曲がっている状態で、簡単にいうと足指がねじれて丸まった状態です。多いのが薬指と小指で両足にみられます。
寝指とは?
小指が横向きに変形することです。捻れは少なく、爪が外に向いて指が横に寝ていることから寝指と言われています。
屈み指(ハンマートゥー)とは?
屈み指とは、力を入れていなくても足指がグッと力んで曲がった状態を言います。足を真上から見た時に、爪が先の方まで見えていなければ屈み指であると言えます。人差し指から小指に多いです。
足の形のタイプ
日本人に多い足の形はエジプト型・ギリシャ型・スクエア型の3種類に分けられると言われています。

エジプト型とは?
足の親指が一番長く、小指にかけて順番に短くなるタイプです。日本人では一番多いタイプだといわれています。指が順番に並んでいて見た目はきれいなのですが、長い親指が負担を受けやすくなるので変形して外反母趾になりやすい特徴があります。
ギリシャ型とは?
足の人差し指が一番長いタイプです。日本人ではエジプト型の次に多く20〜25%くらいがこのタイプだといわれています。重心が前足部にのりやすく、人差し指にタコやウオノメができることもあります。
スクエア型とは?
足の親指から薬指までの長さがあまり変わらないタイプです
などがあります。足指が変形してしまった子どもたちは、着地した時に安定性がなくなるため、転びやすくなり、飛んだり走ったりすることがうまくできなくなってきます。
子供の外反母趾が増加中
うちの子外反母趾かな?と思われたことはありませんか?外反母趾は女性というイメージがあるかもしれませんが最近では子供でもなります。なぜ子供の外反母趾になるのでしょうか?最近は子供が外で遊ぶ機会が減っています。小学生は部活がなかったり、公園で遊んでいるのかと思えば友達とスウィッチをしていたりなど走ったり、歩いたりする時間が減っています。家の中で短い距離しか歩かないと小股でぺたぺた歩くようになります。そうなると足趾が使われないため足の筋力低下につながり、偏平足や開張足になってしまいます。そこから外反母趾などの足の痛みにつながります。
子供ロコモ
最近では子どもの運動機能の低下で子どもロコモという言葉もできました。子どもロコモの原因は、姿勢の悪さや運動不足です。家にいることが多くなりゲーム、スマホなどで姿勢が悪くなり運動不足にもなります。また足趾の変形があると体を支える土台の接地面積が狭くなり、足元が不安定になります。すると、体のバランスを保つために踵重心になり、猫背や反り腰といった姿勢になってしまいます。
外反母趾を放置すると?
今は痛みがなくても足の痛みが強くなり、体育の授業や部活に参加できなくなったり、外で遊ばなくなったりします。運動ができずに大人になっていくことになります。親でも子供が痛みを訴えないと足の形に気づかないことがあります。外反母趾だとわかっていても、痛みがなければ放置している方もいるかもしれません。痛みがなくても足の形の確認はされた方がいいです。子供が足の痛みを訴えてきたときは、足趾が痛いのか、土踏まずが痛いのか、かかとが痛いのか、足首が痛いのかもしっかり確認しましょう。子供の歩き方がおかしいと思われたら異常があるかもしれません。
子どもの外反母趾の原因は?
子どもの足趾が変形してしまう原因は姿勢の悪さ、歩き方、靴のサイズです。
1・姿勢の悪さ
姿勢が悪いと足に影響が出るのはご存じでしょうか?反り腰や猫背は足部にかかる重心がかかと重心になります。かかと重心になると指が浮いてしまう浮き指の状態になります。指が浮くと立っているとき歩いているときに足趾が使われなくなり足の筋力が成長せず偏平足から外反母趾につながっていきます。
2・歩き方
スリッパをはくとよくわかりますが子供がペタペタしながら歩いてはいませんか?これは、あるきからがわるいです。ぺたぺた歩きは足裏全体で着地している歩き方で足の機能が使われず歩いた時の衝撃がダイレクトに体にかかってきます。正しい歩き方は、かかとから着地して、小指側をついて、親指でけりだすというのが足部の成長に一番いい歩き方です。ぺたぺた歩いてこの歩き方ができてないと、足部の変形につながっていきます。間違った歩き方で大人になってしまうと改善するのも大変になってきます。早めの歩行改善が必要です。
3・靴選び
子供の体は年々成長し続けているので、注意が必要です。子供の足のサイズは個人差がありますが毎年約1cm大きくなると考えた方がいいでしょう。成長期なので靴がすぐにきつくなったり、すぐ履けなくならないように大きめの靴を履くのも良くありません。大きめの靴を履くと靴の中で足が滑ってしまい。靴の先に足趾がぶつかるようになります。サイズが大きくても小さくても、足の変形につながります。
ポイント1・きつい靴
靴を履いたときに、指先が靴の席についてると指が縮こまって足の成長が悪くなり筋力低下につながります。指が育たないと転びやすくなったり、すぐ疲れるようになります。指が靴の中で動かせるものがいいです。
ポイント2・ 大きすぎる靴
すぐきつくなるからと大きめの靴を履くと歩いたり走ったりしたときに靴の中で足が滑ってしまい指先が靴の先にぶつかります。繰り返すと足の成長に影響が出ます。
ポイント3・ 足の甲がフィットしているか
足の甲の部分包み込んでフィットしていると自然な歩き方ができるようになります。
ポイント4・かかとがしっかりしているか
靴のかかとがしっかりしていないとかかとの骨の成長に影響が出ます。足の変形の原因になります。
靴選びまとめ
足が正しく成長していかないと、偏平足や開張足という足のアーチ構造が失われてしまいます。そこから外反母趾などの足の痛みにつながっていきます。基本的に人間の足ははだしで歩く構造になっています。家の中では靴下、外で靴を履くと足の機能を使わず歩くことができてしまいます。足の土踏まずは、歩いた時の衝撃を吸収する働きがありますが、靴を履いていると靴のクッションが吸収してくれます。足の土踏まずを使わなくてよくなります。そこから足の変形につながっていきます。。靴を履かない訳にはいかないので、足の成長に障害が出にくい靴を選ぶ必要があります。家の中では靴下をはかずはだしで歩いたり、履く場合は5本指ソックスがいいでしょう。
4・足の向き
子供が内股やガニ股で歩いたりしていませんか?
足を痛めにくい人
立っている時または座っている時、仰向けで寝た時の足先の向きが、前方からやや外側に向いています。足先が前方やや外側に向いていると、内股にならずにまっすぐきれいに足をのばすことができるため、しゃがむ時や立ち上がる時に関節へ負担をかけることなくスムーズに動かすことができます。また、歩く時に踵からの体重移動が上手にできるため、膝関節や股関節、足首に負担をかけることなく歩くことができます。
足を痛めやすい人は
立っている時や座っている時、仰向けで寝た時に極端に外側か内側に向いてしまう方が多いです。この状態になってしまう原因として、骨盤の歪み、股関節のねじれが原因です。足を組む・お姉さん座りなど普段の姿勢が関係してきます。この状態で歩くことによって、歩く時や座る時、しゃがむ時に足を内側へと向けてしまうクセがついてしまいます。常に内側へ向いていると、足の筋肉が常に緊張状態となってしまう為、もも・お尻・ふくらはぎなどの外側の筋肉ばかり発達し内側の筋肉が育たなくなります。筋肉に疲労が蓄積されて痛みが出てきやすくなります。足を内側へ向けるクセは外反母趾やO脚将来的に変形性膝関節症の原因に繋がってきたりします。痛みが強くなる前に、足に負担をかけることなく、姿勢や骨盤から整えていくことが大切です。